平成20年10月12日(日)13日(月・祝)の両日に、第4回自立支援セミナーを開催しました!!
今回は『その人らしく暮らしていくために』『「豊かに暮らす」を考える』というテーマのもと、現場で活躍されている先生方を講師としてお招きし、明日からの支援に役立つご講義をしていただきました。どの講義も多くのことを学ばせていただき、大好評のうちに終えることができました。講師の方々、受講者の方々には深くお礼申し上げます。
自立支援セミナー 講座A 10月12日(日)
1講義目 【鈴木 薫 先生・山田 憲二郎 様】
「本人活動をどう支えるか?ゆうあい会の活動を通して」をテーマにゆうあい会支援者の鈴木薫先生と、ゆうあい会代表の山田憲二郎さんの講義を聴かせていただきました。
最初は山田憲二郎さんからのゆうあい会の紹介。その後、鈴木薫先生から本人活動の歴史・現状を話してくださいました。その中で1つの言葉に感銘を受けました。それは、「福祉の人は自分が殴られたり、いじめられたりするわけじゃないから、痛くない。だから本気じゃない」という本人からの言葉です。
自分の所属している施設では重度の方が多いため、そういう言葉が出ることが少ないのが現状です。その為、本人の気持ちを考えない関わりや助言などをしてしまっていることがあると思います。軽度だろうが重度だろうが関係ない!重度の人でも意見は持っている。そんな意見を引き出していける支援をしていくことが必要なのだと考えさせられました。そういう支援・関わりが障害の程度に関係なく、本人がその人らしく暮らしていくことにつながるのだと思いました。
2講義目 【牧野 賢一 先生】
講義の冒頭で、先生が福祉の世界に入るに至ったプロセスや想いをお話ししてくださいました。その想いが現在の取り組みのベースとなっていらっしゃるという事を講義の中で感じました。「下宿屋」にくらす人たちは、福祉の枠に入りづらい難しいケースもあるようですが、個々のニーズを実現させるために、考えるだけではなく形にするために行動していく姿勢に感銘を受けました。
「人から始まり、人とのつながりの中で広がっていく」という先生の言葉がありましたが、「下宿屋」が地域の方の中に根ざし展開をしていった経緯で実感することが出来ました。「支援者が解決したのではダメで、ご本人が自分で解決した実感が大切」と言う言葉も印象的で自分の支援について考えさせられるものとなりました。
3講義目 【石渡 和実 先生】
石渡先生の講義では、「その人らしく暮らしていくための支援とは〜本人の想いを実現する地域支援」というテーマのもと、地域生活支援について現場の声を汲み上げながらお話いただきました。
障害者自立支援法の施行は、障害のある方々の生活に様々な変化をもたらしました。変化にともない、地域生活支援(ケアマネジメント)の展開を活発に行うことが望ましいとお話されていました。ケアマネジメントの現状や課題に触れたうえで、「地域生活支援ネットワークの構築」すなわち「地域自立支援協議会」の大切さを力強く訴えており、私たちもその大切さを改めて感じました。
また、ケアマネジメントに必要な視点としてエンパワメントについてもお話いただきました。エンパワメントの意義は、本人のみならず「本人」「支援者」「地域」へと広がり、「地域の福祉力」が高まっていくことにあり、ケアマネジメントに欠かすことのできない視点であると感じました。
限られた講義時間の中で地域生活支援を展開するために大切なことを、先生の想いのこもった力強いお言葉でお話いただき、感銘を受けた受講者も多かったのではないかと思います。
自立支援セミナー 講座B 10月13日(月・祝)
1講義目 【倉持 親優 先生】
倉持先生の「退行予防も含めた運動指導の実際」ということで、成人期以降の運動についてお話いただきました。幼児期と成人期の運動の目的の違い、成人期の運動の意図、退行についてなどの講義の後、退行予防の運動を、実技を含めてわかりやすく教えていただきました。実技の見本担当として参加してくれた、当法人作業所の利用者さんも、はじめはガチガチに緊張しながらも一生懸命運動に取り組んでくれました!
退行予防の運動では、体をほぐす運動として仕事の合間の時間で取り組めるような簡単なものから、基礎体力やバランスを身につけるための運動の紹介まで、成人期に必要な運動をご紹介いただきました。どれも実施に特別な道具や長い時間を要するものではなく、本当に実際の実施状況を考えた内容だったと思います。体をほぐす運動などは、自分でやっても気持ちよく、ぜひ取り入れたい内容でした。指導の留意点も講義に含まれていて、成人特有の配慮などもご説明いただきました。
豊かに暮らすため、暮らしの質を高めるためには、心身ともに健康な体は基本でしょう。第1講として、暮らしの前提となるご講義を受ける事ができました。
2講義目 【星野 晴彦 先生】
星野先生のご講義では「豊かな暮らしをはぐくむ社会生活力」と題しまして、障害のある方がより充実した生活になるよう支援するための具体的な社会生活力プログラムについてお話いただきました。
生活の質の定義や社会生活力プログラムの25あるモジュール(一つの権利を達成するための手法)のうち、モジュールサポートについて具体的にご説明いただきました。「本人が選択する」ということに重点をおいた生活の質、またモジュールサポートを例に挙げ、それぞれに共通した3ステップについてもわかりやすくお話いただきました。
そして「制度が変わっても障害のある方々が地域での生活で、自ら取り組んでいく力を支援してくことは変わらない」と支援者としての在り方、さらに「ゆれ」(支援者が良いと思ったプログラムでも本人にとっては戸惑いを覚えること)についてもお話しいただき、改めて支援の在り方を学ぶことができました。
受講者の方々からも「利用者の生活を支援するということを改めて考え直すきっかけになった」とのご感想をいただきました。
3講義目 【清水 愛美 先生】
清水先生の講義では、社会福祉法人佛子園のあゆみとともに、余暇支援に取り組んでこられた経緯をお話いただきました。
障害のある方が、余暇活動を通して自傷行為が減ったという実例から発展して様々な活動に広がり、今回それらの取り組みについて紹介して下さいました。
その中には、卒業後も仲間とのつながりの場となるフレンドリーパーティーや、本人の現在及び未来も含めた長的プランニングであるPCP(パーソン センタード プランニング)についてもお話しいただきました。
さらに「地域により密着した場」として、お寺をカフェ・温泉として地域の交流の場になっている『西圓寺』の様子をDVDで観させていただきました。
受講者の方々からも「モチベーションがあがった」「是非とも取り入れていきたい」という声を多くいただきました。また支援者として、「余暇活動に参加してもなかなか楽しめない方もおり、成長期の頃から本人が何をやっている時に楽しみを感じるのかを知っておくことが必要」と、今後の支援に大変役立つ内容でした。
*今回ご参加いただけなかった方々からも、セミナーに関して多数お問い合わせいただき、ありがとうございました。
*今後も当法人ではセミナーを開催していきたいと思っております。詳しい内容や日時等が決まり次第、随時ホームページ等でご案内してまいりますので、興味を持たれた方は是非ともご覧下さい。
☆その他、何かご質問等ございましたら、pegasus@hattatsu.or.jpまで
過去のセミナー報告
平成18年9月24日(日)、初の主催セミナーとなる「知的障害のある人の退行・老化を予防するために」を開催しました。
平成19年2月25日(日)、「地域での自立した暮らしを支えるために〜具体的な支援のあり方を考える〜」を開催しました。
平成19年10月7日・8日、「本人理解を深めるために・就労支援・生活支援をすすめるために」を開催しました。